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【文字起こし】シリーズ構成・脚本:喜安浩平 インスタライブ (2020/06/20)【風強関連】

 

喜安浩平 公式Instagram

2020年6月20日(土) インスタライブ配信

 

 

 

インスタライブ本編(54:25~終了)

 

質問:葉菜ちゃんを高校生に設定したのはなぜですか?恋の話をアニメに入れる余裕が無かったと、どこかで耳にしたのですがそれと関係があるのでしょうか?あと細かいところですが、10話で走が言った「俺やさしくないかもしれませんよ」の台詞のあとのアオタケメンバーの台詞の内容が知りたいです。

 

 あ~「俺やさしくないかもしれませんよ」のあとにワーってみんなが言うところですね。あそこはあえて(台詞を)被せているので、ごめんなさい、ここは内緒です。一応全員にはちゃんと台詞を書いてあるけど、ここはあえてそういうふうにしてあるので。ごめんなさい。そこは耳を鍛えに鍛えまくって聞き取ってください。

 葉菜ちゃんを高校生に設定したのは、物理的な問題として全てのエピソードを原作通りに入れることができる時間的余裕は無いということが、一番の現実的な理由であります。あとは、年齢を下げることで寛政大学に後から入ってくる人間を作りたかった。つまり、襷を受け取る人を作りたかったんですね。なので、夏合宿のときに葉菜ちゃんが「私、寛政大に行きたい」と言う、お父さんがそれを聞いて薄っすら涙ぐむ。みたいな描写にすることで、今の寛政大学の花火はこの夏で弾けて消えてしまうものではなくて、葉菜ちゃんが入ってくることで来年も、もしかするともう一度花開くものになるのかもしれないな、というふうにすることができるのではないかというケースも立てました。だから、一学年下にすることに致しました。という理由が一番大きいですかね。他のキャラクター(の年齢)を下に設定することはできないので、10人しかいない設定だからね。しかも、若者のオリジナルキャラをアニメだけ登場させるっていうわけにもいかないので。小説の中にいる登場人物で、なおかつ後から襷を受け取れる人は誰だろうねっていう発想です。

 

 

(別の質問に回答中)

 

 

質問:22話「好きだよ俺も」の台詞は原作では葉菜ちゃんのことですが、アニメでは「走るの好きか?」の答えなのかなと思っていますがどうなんでしょう?また原作エピソードでここ入れられなかったけど、本当は入れたかった場面を教えてください。

 

 各人の背景に関しては入れたかったエピソードいっぱいあります。だけどまぁ時間の制約の中で最大限これは外すわけにはいかないだろうというの(エピソード)は入れられたと思っています。むしろちょっと余分に私の個人的な脚色も入れさせていただいておりますので、そこについては特に悔いはないですね。

 「好きだよ俺も」は、意味を広げました。恋愛の感情だけにとどめず、様々な意味が取れるような言葉にしました。もちろん(アニメでは)恋愛を走であまり深く掘っていないのもありますし、原作とはちょっと違う解釈がいいかなと思ったし、この作品の最初が「走るの好きか?」から始まっていますので、走がどこかで好きだと答える、音にして出すところがあるのはとても良いことかなと思ったので、そういうふうに大きな意味でなにかに答える、というような解釈を私なりにさせていただきました。ちょっと小説とは的が違う感じになりましたが、それが脚色ということなのかなと思っています。

 

 

 

質問:脚本のご依頼があったときのお話が聞きたいです。すでに原作はご存知でしたか?どんなお気持ちだったでしょうか?

 

 原作は、知ってはいましたが読んでませんでした。依頼を受けてから読みました。どんな気持ちだったか……「あ、スポーツものか」って思いました(笑)うん、なんかそんな、因縁めいたものがあるなぁと思いましたね。やっぱりアニメはスポーツものがまわってくるんだなぁって思いました。

※声優として『はじめの一歩』『テニスの王子様』といったスポーツものに出演していたため、「因縁めいたもの」なのだと思われます。

 

(インスタライブ本編終了)

 

 

 

インスタライブ〆の時間 (00:30~01:44)

 

※本編終了間際の質問の続き

 

 スポーツものだから嫌だっていうことではなくて…………でも「よぉ~し俺といえばスポーツアニメだ」っていうほど凄く自信があるわけでもなく、特にアニメ(の脚本)は初めてだったので、しかもシリーズアニメということで23話分の構成を考えなきゃいけないというのも初めてのことで戸惑いも多く、スタッフさんには実際たくさんご迷惑をおかけしたので…………。あまりこう、なんて言うんでしょうね、大手を振って歩くような仕事の仕方はしていませんからね。まぁ、本当に、貴重な機会をいただけてありがたかったなぁと思いますし、またああいう形でなにかの作品でみなさんに感動とか驚きとかおかしみとか、お届けできたらいいなぁと思っております。